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原点としての活字

メディアの原点……活字、印刷、本

 10年以上前、当社は印刷関係の工場が集積する街(新宿区山吹町)に事務所を構えていた。

 そのときに、近くにあったしもた屋の活字屋さんでわけてもらった、自社名の欧文活字である。高さは12mmほど、34ポイントのサイズである。

 活字はメディアの原点である。
 獣の骨に刻んだ甲骨文字の時代を経て、中国で木活字が生まれ、ルネサンス時代の西洋で金属活字による印刷技術が普及した。
 いまの時代から見れば、古色蒼然たる技術に見えるが、有史以後の人類の知見の最大の部分は、活字によって記録されている。その意味で、各種メディアの間の情報の変換をテーマとするメディア・インターフェイスにとって、原点となるメディアである。
 そのころ、活版印刷はすでに好事家の趣味に近いものになり、電算写植、さらにDTPが印刷業界の主流になりつつあった。当社の仕事もDTPを基盤にしていた。しかし、活字というメディアに深い愛着と魅力を感じ、いつかはなくなってしまう貴重な記念品として求めたものが、何回かの引越しを経て、ここにある。